- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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「ではご案内します。今回の〈実験〉用施設、号して〈暗鬼館〉へ」
奇妙な求人広告を見つけて応募した12人は、実験のため、〈暗鬼館〉と呼ばれる地下施設で7日間を過ごすことに……しかしそれは、報酬金を賭けた陰惨たる殺人ゲームの始まりだった!
これを米澤穂信が書いたのか、というのが、読んでいるあいだの気持ちでした。ミステリのガジェットに淫してみた作品だとは読む前から知っていたのですが、米澤穂信がこういう作風で書くとは思っていませんでした。
ミステリは自己言及性の高いジャンルとよく言われますが、これはミステリへのしっかりとした自己言及をした初めての米澤作品です。そのあたり、米澤穂信という作家を語る上では重要な点になるでしょう。*1
こういうタイプのも面白いので、是非、ミステリのガジェットに対して照れない作品をこれからも出して欲しいものです。とは言え、この作品だって、決して照れていないわけじゃないのですが。
米澤作品では今までなかった種類の登場人物が出てきてて、それも面白かったです。
*1:僕は大それたことを語る心算はないですけれども。