匣庭の偶殺魔

匣庭の偶殺魔 (角川スニーカー文庫)

「僕は影恐怖症なんだ」

粗筋にひかれてブックオフで購入。今は無き、スニーカーミステリ倶楽部*1の遺産です。
ミステリとして及第点を与えるには伏線の強調が少々弱く、最後の解決が唐突が気がします。ライトノベルとしてみた場合、メイン・キャラクターが男性オンリーで女性キャラが被害者のみという点は男性読者が多い市場では圧倒的不利でしょうし、でてくる男性キャラクターたちは、奇抜な特徴をもっているものの妙に薄っぺらで、リアルな人間としての描写と“キャラ”としての描写のどちらにも行けず、中途半端なものになってしまっている感じが否めませんでした。

*1:あの米澤穂信が始めて本を出したところ。