TrashyHeaven’sDiary

主に読書記録とか

“文学少女”と月花を抱く水妖

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)

「夢は覚めても、物語は残るの」

“文学少女”シリーズ特別編。2巻と3巻を繋ぐ夏の思い出にして、最終巻へのプロローグ。
姫倉一族の跡取り娘・麻貴に連れてこられた別荘にはなにやら因縁があり、役者が揃った舞台では、80年前の惨劇の再演が始まろうとする―――。
2巻と3巻の間の話なので、心葉の心がまだ解けきっていません。けれど、それだからこそ、心葉にとって特別なのは遠子先輩だけで、そんな2人の覚束無い交流が、次の巻で物語に幕が引かれてしまう事を知っている読者としては、温かくも切ないです。