- 作者: 荻原規子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 文庫
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(……いつもいつも、やさしくなどしてくれなくていい。いつもいつも、ほほえんでなどいなくてもいい。逆風の中で、この人は必ずあたしに手をさしのべてくれると、それだけわかっていたなら……)
三人目の女王候補となったものの、今までになく平和なフィリエルのもとにやってきたバードは、世界を揺るがすとんでもない話を持ちかけるーーー。文庫版・『西の善き魔女』最終巻。
ノベルスでは外伝だった、本編の後日談。とは言え、純粋に続きだといって構わない内容。
最終巻なので、全体の感想をば。
主人公が少女と言うことを除外しても、すこぶる少女小説でした。少女小説プロパーのレーベル発じゃないのが不思議なくらいです。
元々が児童文学の書き手である著者らしく、戦争が絡むはなしでありながら、主要人物が死ななかったのが印象的でした。
ここに描かれているのは、人間同士の心の絡み合いと成長です。それぞれの主要キャラクターは、初登場時からは、創造できない変化を見せていました。
最終巻で、欠片も登場しなかったユーシスが不憫(笑)