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星とハチミツの存在証明

星とハチミツの存在証明(テスタメント) (このライトノベルがすごい!文庫)

星とハチミツの存在証明(テスタメント) (このライトノベルがすごい!文庫)

「お前の存在は約束通り……この俺が証明してやる!」

こんな御時世なので、まず初めに断っておきたい。僕はこの本の作者の友人である。なので、このレビューには贔屓もあれば羨みもある。その点、ご了承願いたい。
このラノ文庫の新企画“編集長の隠し玉”第一弾・『星とハチミツの存在証明』は存在の力“ザイ”を使った2つの陣営の戦いに巻き込まれた少年・一番星光世を主人公とした能力バトル物です。(詳しいあらすじは公式サイトへ)
「ああ、ラノベやマンガでありがちなヤツね」と思ってしまうかもしれませんが、この本にはいくつか、他にはないポイントがあると思います。

ポイントその1 「恥じない爽やかな中二病!」

 まぁ、ホント、恥ずかしげもなく中二です。地の文からセリフに至るまで、ルビルビルビ、ルビの嵐。もちろん、必殺技の名前は高らかに叫び上げます。
 昨今、こーゆー中二テイストは斜めから見られがちですが、本作は真正面から気持よく中二です。いや、中二というか、「中二病」という定義が出来上がる以前の、なんというかナチュラルな少年マンガっぽさがあります。中二系バトルにありがちな鬱々した要素がないのが理由でしょうか。
 キャラクターたちは、悩んだりはするものの、基本的には前向きです。特に主人公の光星の前向きさは気持ちいいです。たまにシリアス場面でもお調子者なのがウザかったりしますがw
 

ポイントその2 「特徴的な(敵)キャラ造形」

 キャラ造形、特に敵キャラたちがいい味出してます。
 消化バケツをかぶった女の子や、逆さまの仮面をつけた巨躯の男、そして、その男の髪の毛でブランコする少女など、灰汁の強いこと強いこと。
 このキャラたちは好みがわかれるところでしょうが、「この小説にしか絶対登場しない奴ら」であることは確かです。


さて、総合した印象としては、荒削りではあるものの、終盤の展開が熱くて良かった、という感じでしょうか。少なくとも仕事終わりの疲れ目で一気に読めるほどには面白かったです。
挿絵も、ツインテールを円にしている(主人公のクラスメイト)、とか後ろから見ると星型(主人公)など変な髪型のキャラたちもしっかり描かれていて良かったです。消化バケツをかぶった炎使い・フレイム・クリーム・プラネットの挿絵と、重要人物・主人公の母親の挿絵がなかったのは納得いかんけどw

現在では不動の人気になった某シリーズの1巻を読んだ時の印象(すっごい粗いのに面白かった・そういえばアレも拾い上げでした)と似ているので、願わくば、アレぐらい人気になってほしいものです。

藤八くん、頑張れ!