- 作者: 武者小路実篤
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1947/12/29
- メディア: 文庫
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傷ついても僕は僕だ。
恋と友情、どちらをとるか? という普遍的テーマを扱った作品。まぁ、普遍的テーマのわりに、未だかつてそういうシチュエーションを見たことも体験したこともありませんが、ともかく。
結構読みやすかったです。杉子さん(ヒロイン)よりも武子さん(ヒロインの親友にして、主人公の友人の従妹)のほうが好感持てます。読みながら、武子さんは主人公が好きなのかな、と思ってたら、あっさり未登場のキャラと結婚してて驚きましたが。
最後の、闘志を燃え上がらせつつ、ちょっと落ち込む主人公の姿がとても印象に残りました。
しっかし、この主人公、相当にダメな奴です。新人脚本家ってことになってますが、現代だったら確実にニートに部類される人物。しかも友人に頼りっぱなしだし、好きになった杉子さんに何のアプローチもできやしないのですよ。
ダメな男ってのは今も昔も小説の主人公に向いているのだなぁと思う次第。じゃあオレって小説の主人公に向いてるんじゃね?