月蝕姫のキス

月蝕姫のキス (ミステリーYA!)

君は、何かやらかすつもりなのか、この月食の晩に？

理論社のミステリーYA！叢書の一冊。
高校生の暮林一樹は、何事もロジカルに考えなければ気が済まない性格。そのせいで、学校生活の中で苦渋を舐めるはめになることもしばしばである。そんな彼が、偶然巻き込まれたひとつの殺人事件。その事件について考えるうち、彼がたどりついたのは、クラスメイトであり密かに気になる少女・行宮美羽子こそがその犯人ではないかという推論で――――。芦辺拓による、少年が探偵になる物語。
ただ論理的に考えるのが好き、というだけの少年が徐々に探偵になっていく姿はわくわくし、応援したくなるものでした。そして、最後の古き良き“探偵小説趣味”あふれる展開は非常に芦辺さんらしく、よかったです。