TrashyHeaven’sDiary

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ぼくと、ぼくらの夏

新装版 ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫)

新装版 ぼくと、ぼくらの夏 (文春文庫)

「だって、誰も分かってないじゃない? 怒っていいのか、悲しんでいいのか、あきらめていいのか。」

高校のクラスメイトが自殺した。刑事の父親からその情報を得た戸川春一は、しかし、あまり関心を示さない。
だが、偶然にも街で会った酒井麻子に自殺のニュースを知らせたことから、春一は事件に首を突っ込むことになり―――。夏の切ないミステリー。
春一のモノローグがハードボイルド調のちょっとシニカルな語りになっています。米澤穂信さんが影響を受けたと言っていたのはこのあたりなんだなぁ、と。*1
事件を追及することへの葛藤や、真相の意外さとやるせなさが良かったです。(もちろん、ツンデレな麻子さんとの掛け合いも!)