TrashyHeaven’sDiary

主に読書記録とか

灰色のダイエットコカコーラ

灰色のダイエットコカコーラ

灰色のダイエットコカコーラ

「ああそうだ。負けたよ。完敗だよ」

北海道の片隅で、覇王の祖父に並ぶために、主人公は特別な存在であろうとする。その同志として、ミナミ君がいる。ここで、主人公が覇王への道を歩み続ける物語を描くのならば、行き着く先が悪役であろうとも、それは成功の物語だ。世界と闘う物語だ。
しかし、これは違う。どんなに頑張ろうとも、結局は“普通”の一部分になってしまい、大きな物語の主人公になることはできない。これは、そういう敗北の物語なのだ。
セカイ系というものが流行った。主人公たちの一挙一動に世界そのものがかかっていて、恋愛するのも命がけ。
だけど、どんなに渇望しようとも、現実世界ではそんなふうにはならない。誰も彼も一騎当千などではない。たった一人では革命など起こせない。世界は世界として今あるままで、そこに生きるのならば、普通の幸せを、こころから幸せだと感じて生きていかなければならないのだ。

とにかく、傑作です。