TrashyHeaven’sDiary

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ズッコケ中年三人組age43

ズッコケ中年三人組age43

ズッコケ中年三人組age43

「あのクラスの連中は、それだけ縁があるってことなんじゃないの」

裁判員に選ばれたハチベエ、証人として出廷する榎本由美子。ハカセやモーちゃんも見守る裁判の行方は……? ズッコケ中年三人組、4作目。
永遠の小学六年生だった頃と違い、中年シリーズでは3人は1年で1歳、ちゃくちゃくと年齢を重ねていきます。それでも、3人の本質は変わりはしないのですが、時代も同じく流れるわけで、ストーリーの中に最新の世の中の動きをするっと取り込めていました。話題の裁判員制度を、ミステリー好きな那須正幹が料理。
以下ネタバレですけれど、ラストの〆方が、ああ、大人になったんだなぁ、という感じでした。事件の真相を見抜いて、終わりっていうんじゃなく、悪人の所業を暴かないし、訴え出る手段がないことも心得ている。子供の頃の彼らなら憤って、あるいは意気揚々と真相究明にのりだしただろうに、もう、そういうことはしないんだなぁ、と。
このシリーズは感傷を誘いますけれど、またここで描かれる3人の年齢に僕の年齢が近づくにつれ、それも深まるだろうなぁと思います。