TrashyHeaven’sDiary

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ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ コンプリートエディション

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ コンプリートエディション

自分が甘受するありふれた日常をすんなりと通り越してしまった能登、非日常の存在・チェーンソー男と超常的な闘いを繰り広げる絵理、この二人に、陽介は憧れる。
彼が求めるのは、“最高のエンディング”。過程ではなく、終わり。いつまでもこの日常を続けていたって、ドラマティックなことは起こらないと彼は知っている。だから、ようやくであった非日常の敵・チェーンソー男と戦いたがる。だけど、その敵は、陽介の敵ではなく、絵理の敵で、だから陽介は最後の最後まで無視され続ける。
親友・渡辺も、日常を続けることを嫌っている。そして、なにかわからないけれど、自分にはできることがあって、それをやるんだ、それをやれば突き抜けられるんだ、という意思を持ち続ける。写真を撮り、絵を描き、小説を綴り、その全てに失敗しても、まだ挑戦し続ける。彼は彼で、最高のエンディング=己の才能の開花を夢見ているのだろう。
カッコよくなんて、なれない。わかりやすい敵なんて、いない。信じられるものなんて、ない。
だけどそれでも、なにか方法はある、はず。
映画の中で、答えなんて出ない。単に設問を提示するだけ。さぁ、答えはどこにある?


映画も、すばらしい出来でした。あと、原作からのファンは、滝本のインタビューのためにコンプリートを買うべき。