楽園の知恵

楽園の知恵―あるいはヒステリーの歴史 (ハヤカワ文庫JA)

誰もが望むわけでもない小説は、こうして書き溜められていった。

牧野修の奇想短編集。ホラー＋SF＋幻想小説。
裏表紙の粗筋を読んで、てっきり連作短編集だと思っていたのですが、特に全体を貫く仕掛けがあるわけではなくって、短編が幾つかの分類に区切られている、という感じでした。とは言え、虚無感や、他人の妄想を覗き見たようなおぞましさを共通母体として持っている作品が多かったです。演歌で世界が崩壊するなんて話もありますが。
『バロック　あるいはシアワセの国』が好きです。