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NHKにようこそ!7

NHKにようこそ! 7 (角川コミックス・エース 98-11)

NHKにようこそ! 7 (角川コミックス・エース 98-11)

「ありがとう」
「……はい…  さようなら」

他人のことを自分のことよりも優先してしまう人間というのは、みずから主張する勇気さえない弱虫のクズ野郎なのか、それとも、自己犠牲の精神を持ったキリストのような優しいひとなのか。この作品の佐藤という主人公は、その疑問を体現しているような男だと思うし、それだけでなく、ヒロイン・岬ちゃんさえも、そういう人間のような気がする。
佐藤が、先輩と不倫できるにも関わらずしなかったのは、先輩が好きだからこその優しさか――それとも、ただ、自分の好きだという気持ちから逃げているだけなのか。
岬が、佐藤をまがりなりにも救おうとするのは、本気で佐藤を好きで、そして救いたいからか――それとも、自分のアイデンティティ確立の道具として佐藤を利用しているに過ぎないのか。
疑問と葛藤を抱えながらも、物語は次巻で終幕。原作から大きく踏み込んだ物語の終着点は何処なのでしょうか。