少年少女漂流記

少年少女漂流記

「本当で確かなものって見つけられるのかな？」

妄想と現実が交錯する、乙一と古屋兎丸のコラボレーション・コミック。
青春期が美しかったなんていうのは、本当にごくごく一部の幸せな人だけで、殆んどの人間にとって青春期というのは自分と世界との摩擦の連続ではないのかと思う。そして、その摩擦をやわらげる緩衝材として僕たちは色々なものを選択する。暴力を振るい学力を磨きスポーツに邁進し芸能人に惚れこみ歌手を囃し立てアニメみてドラマみてマンガ読み本を読み。その中のどこかに自分がいるべき場所を見つけることができれば、それでいい。けれど、どこにも居場所を見つけられない人もいて、そんな人は妄想の中に自分だけの居場所を作り出そうとする。しかし、妄想というものは時として暴走するものだから、どこに漂着するのかいっさいわからない。どんなに辛い場所にも希望はあって、嵐はいつか止んで、それでも人の変質はとまらない。

……というようなことを考えました（アレ？
とにもかくにも傑作です。読むべし。