TrashyHeaven’sDiary

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怖るべき子供たち

怖るべき子供たち (角川文庫 (コ2-1))

怖るべき子供たち (角川文庫 (コ2-1))

子供たちの不思議な世界では、浮身をすることもできれば、すばやく進むこともできる。それは丁度阿片の場合に似たもので、緩慢な速度は、最高の速力と同じように危険なものであった。

どうもやはり翻訳小説は合わない、と常々思っているのだけれど、しかしたまに翻訳物が読みたくなって、結局同じ感想を抱くことになったりする。
この小説は、子供たちの歪んだ楽園の繁栄から崩壊までを書いたもので、話は面白かったような気がするのだが、どうも乗り切れなかった感がある。天性の詩人・コクトーの書いた美しい文章、はさっぱり伝わってこない。
奥付をみると、翻訳されたのは五〇年以上も前だった。いつか新訳で再チャレンジするべきなのかもしれない。