PSYCHE (プシュケ) (スクウェア・エニックス・ノベルズ)
- 作者: 唐辺葉介,冬目景
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2008/07/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「それにしたって、きみはどこへ行こうとしてるんだい。逃げ道なんかないんだぜ?」
飛行機事故からひとり生還した「僕」には死んだハズの家族の姿が見えていた。その死人の家族と一緒に暮らしながら絵を描く「僕」の奇妙な日々はやがて……。
日常を舞台にした、非日常は軽くエッセンス程度の、憂鬱で切ない話。だと思っていた。実際のところ、当たっているといえる要素は「憂鬱」くらいだ。
「僕」が世間/世界とずれている様はある程度の共感をもって読めたし、入れ子構造的な虚実入り混じるラストも素晴らしかった。酩酊感を味わえる小説だと思う。
また、表紙絵画家の選択を含め、本のトータルデザインは秀逸。