TrashyHeaven’sDiary

主に読書記録とか

双頭の悪魔

双頭の悪魔 (創元推理文庫)

双頭の悪魔 (創元推理文庫)

「人は知らないうちに人を食べていることがあるのよ」

江神――あるいは、学生アリス――シリーズ、第三長編。
前回の『孤島パズル』での事件で心に傷を負ったマリアは、独り、芸術家の卵達が隠れ住む周囲との関係を絶った村へ。村から帰らぬマリアを心配した両親に頼まれたEMCメンバーは、マリアを連れ戻すため、山奥の村へと向かうが―――。
これも中学生の頃に読了済み。まぁ、例によってトリックや犯人は覚えていなかったわけですけれど。
途中から、江神・マリアとアリス・望月・織田の二グループに分かれてしまうのですが、江神さんのいるほうは、江神=ホームズ、マリア=ワトスンという典型的なかたちで捜査を進めるのに対し、アリスのほうは、三人の合議によって、推理を進めていくというのが良いと思いました。
本来、探偵役じゃあないアリス・望月・織田の三人が、作中でいくつか起きる事件のひとつとは言え、その真相に辿り着くというのは、普通のミステリの枠からちょっとずれていて、楽しいものがあります。

さて、これでシリーズの前3作を読み終わったので、いよいよ、15年ぶりの(!)新作長編『女王国の城』を読み始めるとしましょう。うわー、楽しみだー♪