- 作者: 有栖川有栖
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1999/04/21
- メディア: 文庫
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「人は知らないうちに人を食べていることがあるのよ」
江神――あるいは、学生アリス――シリーズ、第三長編。
前回の『孤島パズル』での事件で心に傷を負ったマリアは、独り、芸術家の卵達が隠れ住む周囲との関係を絶った村へ。村から帰らぬマリアを心配した両親に頼まれたEMCメンバーは、マリアを連れ戻すため、山奥の村へと向かうが―――。
これも中学生の頃に読了済み。まぁ、例によってトリックや犯人は覚えていなかったわけですけれど。
途中から、江神・マリアとアリス・望月・織田の二グループに分かれてしまうのですが、江神さんのいるほうは、江神=ホームズ、マリア=ワトスンという典型的なかたちで捜査を進めるのに対し、アリスのほうは、三人の合議によって、推理を進めていくというのが良いと思いました。
本来、探偵役じゃあないアリス・望月・織田の三人が、作中でいくつか起きる事件のひとつとは言え、その真相に辿り着くというのは、普通のミステリの枠からちょっとずれていて、楽しいものがあります。
さて、これでシリーズの前3作を読み終わったので、いよいよ、15年ぶりの(!)新作長編『女王国の城』を読み始めるとしましょう。うわー、楽しみだー♪