TrashyHeaven’sDiary

主に読書記録とか

人生を変えた人と会う。

中学1年生の夏の話です。
読書感想文を書かなければならなかった僕は、課題図書のコーナーを検分していました。
まず目に付いたのは、今や押しも押されぬ人気シリーズであるハリーポッターの1巻。当時はまださほど話題になってはいませんでした。
興味は引かれたのですが、僕はこの本で読書感想文を書くことはありませんでした。理由は、翻訳モノであることと、長編であることです。
翻訳モノはどんなに元が面白くとも、翻訳した人の裁量で読むに耐えない場合がありますし、長編よりも短編集の方が(粗筋に文章を割けるので)読書感想文を書くのに適していると考えたからです。
そして、代わりに手に取ったのが椎名誠の『アメンボ号の冒険』でした。
そして、これがその後の人生を変える選択だったように、今は思うのです。
『アメンボ号の冒険』を大変楽しく読み終えた僕は、当初の目的であるところの感想文をしごくテキトーに書き上げて、図書館へ向かいました。同じ作者の作品をもっと読みたかったのです。
しかし、児童書のコーナーにはシーナさんの本は見当たりません。それもそのはず、シーナさんは普段は児童書の書き手ではないのですから。
本の場所を検索して、それがオトナ向けの(一般書のことを当時はそう捉えていた)棚にあることを知った僕は、少し戸惑いました。
なにせ、当時の僕は児童書しか読んだことがなかったのです。
ですが、『アメンボ号の冒険』の面白さに押されて、僕は一般書のコーナーに足を踏み入れ、シーナさんの紀行エッセイを借りて帰りました。
そして、既に自分は一般書であっても難なく読めるのであると知ったのです。
その後、シーナさんの紀行エッセイやらSFやらをあらかた読み終えた僕は、別の作家の作品も読んでみようと思い立ち、芦辺拓の『怪人対名探偵』を借りたことで、ミステリ方面へ突き進んで行くわけですが、それはまた別のお話。


―――で、今までの文章は壮大な前振りであり、今日の日記の内容としては、シーナさん(&奥さんの渡辺一技さん)の写真展&トークショーを見に大阪まで出掛け、さらに、宛名入りでサインも貰っちまったぜイェイ!という話なわけです。

僕「こんにちは(本と名前を書いたメモをさしだす)」
椎「こんにちは」
僕「中学のときにアメンボ号を読んでからずっとファンです」
椎「(サインを書く手を止めて僕の方を見て)…時間が経つのは早いねぇ」
僕「そうですね、僕も今じゃ大学生ですよ」
椎「(本を差し出して)はい、どうぞ」
僕「ありがとうございます(手を差し出して握手)」

といった感じのやりとりを!!してきました!!サイン会もやってるなんて告知に書いてなかったのですっげー嬉しかったです。マジで感動モノです。だってかれこれ7年くらいファンやってますからね。


大学でサークルのチラシを印刷するのに印刷機の調子が芳しくなくてめちゃくちゃに苦労した挙句、結局できなくて、コピー機を使う羽目になったりしたこととか、自動車学校の教官と世間話をするのが苦痛で仕方なかったこととか、今日も色々ありましたけど、そんなことらはどれもこれもちっぽけなことで、ひとまず何が言いたいのかというと、今日は幸せな日だったと! そういう話。


今回のオチ。
写真展に行く前に、難波でジュンク堂によりました。特急使って行ったのに、交通費よりも本代の方が高いです。
ジュンク堂は素晴らしい本屋です。品揃えが豊富だし、POP自作だし、本の配置も本を読んでる人が並べてるんだなぁ…とわかる感じ。ああいうとこで働きたい。